@techreport{oai:grips.repo.nii.ac.jp:00001018, author = {丸茂, 雄一}, note = {本稿は、国と地方公共団体との間の紛争解決手段(職務執行命令訴訟、国地方係争処理委員会の勧告)において、国の地方公共団体への関与が法的にどのように整理されてきたかを、地方分権一括法による地方自治法の改正に着目しつつ、分析するものである。 地方自治法別表に記載された機関委任事務はあまたあれど、伝家の宝刀といわれる職務執行命令訴訟が実際に提起されたのは、2件のみである。そのいずれもが、米軍基地にかかわるものである。安全保障にかかわる司法審査には、昭和34年12月16日の最高裁大法廷判決に述べられた「統治行為論」が想起される。沖縄県知事に対する職務執行命令訴訟上告審判決が、意欲的に先行行為の有効性に関する審査権を認めたものの、「統治行為論」との抵触を避けるため、訴訟法の論理で判旨を首尾一貫することはしなかった。 国地方分権改革により、国と地方公共団体の対等・協力関係にふさわしい係争処理システムとして、国地方係争処理委員会が設立された。国地方係争処理委員会の勧告は1件のみであり、国の関与に関する訴訟が提起された例はない。 地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基づいて、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえて、これを解釈し、及び運用するようにしなければならない(地方自治法第2条第12項)。地方分権改革という果実を得るためには、地方自治体関係者は、地方分権一括法で改正されなかった実定法ひとつひとつについても、その解釈や運用をチェックする必要があるであろう。}, title = {国の地方公共団体への関与 -職務執行命令訴訟と国地方係争処理委員会-} }